竜殺しのブリュンヒルド(1)
東崎 惟子/あおあそ
KADOKAWA
2022年06月10日
概要
竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。 エデンの海岸に取り残され、偶然か必然かーー生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。 しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。 『神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』 復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものかーー。 第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!
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メモ
神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった…。 父への憎しみと、守護…
神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった…。 父への憎しみと、守護竜から受け継いだ「憎しみに支配されるな」という言葉の間で揺れ動きながら、ブリュンヒルドは自らの道と向き合っていく。 シギベルトは実子でありながら、ブリュンヒルドを冷たく突き放す。復讐の念を抱いたまま、ブリュンヒルドは帝国軍に少尉として編入され、竜の力と戦闘能力を武器に軍人として生きていく。また、ザックスの協力もあり、人間としての知恵を身につけていく。 同じ軍属にはシギベルトの息子であり彼女の兄にあたるシグルズがいて、最初は敵対していたものの、やがて心を通わせ始める。 ブリュンヒルドはやがて、テュポーンという竜を崇拝する宗教の信徒の忠誠を得る。そして、彼らに自分の竜の鱗を食べさせることで、龍に変身させ、街を襲わせ、さらに自分をも襲わせる。竜を駆逐しながらも、大怪我を負うブリュンヒルド。全て自作自演である。悲劇の少女として扱われ、父に会いたいという主張を受け入れやすくさせるために。街を救おうとしたブリュンヒルドのために、勲章授与式が計画された。その場にシギベルトも呼ばれるという。 授与式でシギベルトを爆殺しようとするブリュンヒルド。しかし、ジギベルトは竜殺しの神の力バルムンクを取り込んでいるため殺すことに失敗する。竜の姿となってシギベルトと戦うブリュンヒルド。そこにシグルスがバルムンクの力を携えて、戦いに参加する。ブリュンヒルドは、シグルスの放ったバルムンクの一撃をシギベルトに当てることによってシギベルトを倒す。 永年王国で愛している守護竜と再会するブリュンヒルド。しかし、そこに留まること許されない。憎しみに陥ったブリュンヒルドは、永劫の闇を歩かなければならないからだ。
薄雪さんの感想・評価
神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった。 守護竜との永遠王国で会おうという約束とは裏腹に、ブリュンヒルドはジギベルトへの復讐に駆られていく… 復讐劇のお話として面白いです。 ブリュンヒルドはジギベルトに復讐などせず、全てを受け入れ愛していれば、永遠王国で再び愛する人と一緒になれたはずです。でもブリュンヒルドはそれをしなかった。 東崎椎子さんはあとがきにて「わたしは勝利の物語として胸を張れます」と書いています。復讐は甘美な蜜の味、と言ったところでしょうか。 全てを受け入れて天寿を全うするブリュンヒルドでは、劇的なストーリーにならなかったはずなので。 「その一言で、わたしは明けない暗闇をいくらでも歩けると思えるのだ。」
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