言語の七番目の機能
ローラン・ビネ/高橋 啓
東京創元社
2020年09月24日頃
概要
1980年、フランスの哲学者、記号学者のロラン・バルトの交通事故死のニュースが世界をかけめぐった。ミッテランとの会食直後のことだった。事故当時彼が持っていたはずの書類が消えていた。実はそれは、国家の安全保障に関わるものとのことで、パリ警視庁のバイヤール警部に捜査の命令が下る。バルトは事故死ではない! とすれば、いったい誰がロラン・バルトを殺したのか? しかし、学者の世界、記号学や哲学などまったくちんぷんかんぷんの警部は若い記号学者シモン・エルゾグを助手に指名し、二人でパリ大学から、ボローニャ、ヴェネツィア、アメリカのイサカ、と世界を駆け巡る。どうやら消えた書類は言語の七番目の機能についての論文らしい。ヤコブソンの「言語の六つの機能」に続く、もうひとつの機能に関する論文……。謎の秘密組織〈ロゴス・クラブ〉、ブルガリアの秘密警察、ロラン・バルト、ミシェル・フーコー、ウンベルト・エーコ、ジュリア・クリステヴァ、ジャック・デリダ、ドゥールーズ&ガタリ、アルチュセール、ラング、サール……実在の学者、政治家等々が乱舞する学問と政治をめぐる007! 『HHhH--プラハ1942年』で、世界の文学界を驚嘆せしめたビネによる記号学的ミステリ。
ステータス
読んだ
MHXさんの感想・評価
実在の哲学者、思想家、政治家を登場人物にし、ロラン・バルトの事故死を起点にしたミステリー。まず着想がおもしろい。着想だけでなく内容も哲学的。第一章、第二章までは次の展開が楽しみで、物語に引っ張られるように呼んでいたが、第三章あたりから内容が一気に難しくなった気がして、ついて行けなくなった。文庫本が出るようなので、いつか再読しようかとも思っている。「HHhH」を書いたビネらしい作品。かなり勉強して書いたと思う。その姿勢は学ばないといけない。
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