やかず高野聖・眉かくしの霊
高野聖・眉かくしの霊

高野聖・眉かくしの霊

泉 鏡花

岩波書店

2023年09月20日

概要

越前敦賀の旅の宿、道連れの僧が語りだしたのは、若き日、飛騨山中の孤家で遭遇した艶めかしくも奇怪な出来事であった。鏡花畢生の名作「高野聖」に、円熟の筆が冴える「眉かくしの霊」を併収した怪異譚二篇。本文の文字を大きく読みやすくし、新たな解説を加えた改版。

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やかずさんの感想・評価

魅惑のある美ほど、手に取れない距離に配置されている……… 読み終えてはじめに感じたのは、文章よりも、その構造だった。 最も手に触れやすい距離である、主人公の旅中の弁当が不味いのも、その伏線なのだろう。 そもそも、その魅惑の美女は、旅先の僧侶から又聞き故、触れることも見ることもできない。 そして最も魅惑ある婦人の美は、 近くにあるはずなのに、聞こえるだけの滝の音とともに……… こう考えると、作中の「美」「エロス」は 視覚、聴覚、触れる感覚すべて、「妄想で補う」が故に、その色気が増すものなのかも知れない。

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