まち羊をめぐる冒険(上)
羊をめぐる冒険(上)

羊をめぐる冒険(上)

村上 春樹

講談社

2004年11月15日頃

概要

野間文芸新人賞受賞作 1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月ーー北海道発 あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。 第一章 1970/11/25 第二章 1978/7月 第三章 1978/9月 第四章 羊をめぐる冒険I 第五章 鼠からの手紙とその後日譚 第六章 羊をめぐる冒険II

ステータス

読んだ

メモ

亡くなった彼女のお葬式へ行ったり、鼠の頼み事をやっているところを見ていて主人公は人を大切にできる人なんだろうなと思った。私は、人を大切にできる方だと考えていたけど私だったらどうするかなと考えた時にしないかもしれないと思った。大切にするという種類が違うようにも思ったけど、本質的な部分で私は人を大切にできていないような感じがした。耳の美しい女の子が出てくる描写がすごいなと思った。それも、"耳を出してる時"が特に。耳が美しいというだけで、惹き込まれるものかなと思ったけれど読んでいる…

亡くなった彼女のお葬式へ行ったり、鼠の頼み事をやっているところを見ていて主人公は人を大切にできる人なんだろうなと思った。私は、人を大切にできる方だと考えていたけど私だったらどうするかなと考えた時にしないかもしれないと思った。大切にするという種類が違うようにも思ったけど、本質的な部分で私は人を大切にできていないような感じがした。耳の美しい女の子が出てくる描写がすごいなと思った。それも、"耳を出してる時"が特に。耳が美しいというだけで、惹き込まれるものかなと思ったけれど読んでいるだけで惹き込ませる村上春樹の文章力がすごいと思った。耳の美しい彼女が自分の耳について説明するシーンがある「閉鎖された耳は死んだ耳なの。私が自分で耳を殺すのよ。つまり、意識的に通路を分断してしまうってことなんだけど……わかるかしら?」という説明。この説明がこの小説を読んでいくうちに理解できる、という感じがした。あと、妻が翻訳の仕事で働いていたあの女性だったのか!という驚きがあった。110ページの「しかしそれと同時に偶然性なんてそもそも存在しないと言うこともできる。もう起ってしまったことは明確に起ってしまったことであり、まだ起っていないことはまだ明確に起っていないことである、と。つまり我々は背後の「全て」と眼前の「ゼロ」にはさまれた瞬間的な存在であり、そこには偶然もなければ可能性もない、ということになる。」という文章がすごく良かった。自分の今まで考えていたことが綺麗に言葉にされた感覚があった。黒服の秘書になぜ羊の写真を使ったのか、誰からこの写真を受け取ったかについて「言えません」と言ったシーンで、主人公にとって鼠は見捨てられない存在なんだなと感じた。黒服の秘書は「私の望みは失われてゆくものをこの目で見届けることだけだよ」と言っているけれど、どこか主人公は嵌められているようなそんな気がした。主人公も何かそんな予感を感じ取っている描写もあった。猫に運転手が"いわし"と名前を付けて「いわし、おいで」と言っているシーンが面白かった。その猫がおならを何回もして運転手が窓を開けるシーンも良かった

まちさんの感想・評価

亡くなった彼女のお葬式へ行ったり、鼠の頼み事をやっているところを見ていて主人公は人を大切にできる人なんだろうなと思った。私は、人を大切にできる方だと考えていたけど私だったらどうするかなと考えた時にしないかもしれないと思った。大切にするという種類が違うようにも思ったけど、本質的な部分で私は人を大切にできていないような感じがした。耳の美しい女の子が出てくる描写がすごいなと思った。それも、"耳を出してる時"が特に。耳が美しいというだけで、惹き込まれるものかなと思ったけれど読んでいるだけで惹き込ませる村上春樹の文章力がすごいと思った。耳の美しい彼女が自分の耳について説明するシーンがある「閉鎖された耳は死んだ耳なの。私が自分で耳を殺すのよ。つまり、意識的に通路を分断してしまうってことなんだけど……わかるかしら?」という説明。この説明がこの小説を読んでいくうちに理解できる、という感じがした。あと、妻が翻訳の仕事で働いていたあの女性だったのか!という驚きがあった。110ページの「しかしそれと同時に偶然性なんてそもそも存在しないと言うこともできる。もう起ってしまったことは明確に起ってしまったことであり、まだ起っていないことはまだ明確に起っていないことである、と。つまり我々は背後の「全て」と眼前の「ゼロ」にはさまれた瞬間的な存在であり、そこには偶然もなければ可能性もない、ということになる。」という文章がすごく良かった。自分の今まで考えていたことが綺麗に言葉にされた感覚があった。黒服の秘書になぜ羊の写真を使ったのか、誰からこの写真を受け取ったかについて「言えません」と言ったシーンで、主人公にとって鼠は見捨てられない存在なんだなと感じた。黒服の秘書は「私の望みは失われてゆくものをこの目で見届けることだけだよ」と言っているけれど、どこか主人公は嵌められているようなそんな気がした。主人公も何かそんな予感を感じ取っている描写もあった。猫に運転手が"いわし"と名前を付けて「いわし、おいで」と言っているシーンが面白かった。その猫がおならを何回もして運転手が窓を開けるシーンも良かった

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