これはただの夏
燃え殻
新潮社
2024年08月28日
概要
その瞬間、手にしたかったものが、僕の目の前を駆け抜けていったような気がしたーー。テレビ制作会社に勤める秋吉、知人の結婚式で出会った風俗嬢の優香、育児放棄気味の母親と暮らす十歳の明菜、末期癌を患う秋吉のクライアント、大関。長い人生の中でのほんの一瞬、四人は絶妙な距離を保ちながらも、ひと夏を過ごす。噓で埋めつくされた日常の中で、願いのようにチカリと光る「本当」の物語。
ステータス
読んだ
叶夢さんの感想・評価
前回読んだ「ぼくたちはみんな大人にはなれなかった」のその後の話ということで読んでみることにした。前回と話が続いてるというわけではなかった。しかし、前回と同様に、所々心に引っかかる描写や言葉がたくさん出てくる。今回は前回と変わって恋愛的要素が少ない。その代わり主人公が様々な人物との出会いを通して少しずつ変わっていく。そして、出会いがあるということは別れもある。私はこの本を読んでそこを強く感じた。出会いと別れはいつも表裏一体であり、いつ来るかわからない。しかし、いつも別れが来る時は別れの予感があるのだと私は思った。それに気づけるか気づけないかは別として。その少しの胸騒ぎや異変の時に何を考え行動するか、そして、その別れる人との時間とその人からどんな影響を受けたか。一緒にいた時間の長さよりもそれらが1番大切なのではないかと感じた。どんな人も急に別れが来る。だからと言って別れが来るのだろうと考えながら生きていきたくはない。だからこそ、いつか来る別れのためにその人との時間を大切にし、その人の言動ひとつひとつからたくさんのことを感じたくさんのことを考え2人だけの思い出を作っていきたい。
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