チャロン幽冥の岸 十二国記
幽冥の岸 十二国記

幽冥の岸 十二国記

小野 不由美

新潮社

2026年09月17日

概要

「生きる」──その理(ことわり)を知るは唯一。琅燦(ろうさん)は、黄海に暮らす娘。戴(たい)国(こく)から訪れた男は、妖獣を狩ることを生業(なりわい)とする民の逞しさを知る。琅燦にとっては、男が語る国や政(まつりごと)が標(しるべ)となる──運命の邂逅(であい)を描く「異邦の客」。神獣たる麒麟は血の穢れを受けてはならぬもの。義をもってのこととて、人を殺めた泰(たい)麒(き)に生きる道は赦されぬのか──表題作「幽冥の岸」ほか、命と対峙し、生きる意味を問う4編。

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チャロンさんの感想・評価

「あの人はあの後どうしたんだろう、どうなったんだろう」というちょっとした疑問に答えてくれるような本でした。 前作で泰麒が人を殺めたことについては、私も麒麟という生き物が人を殺めたという見方しかしていなかったので、陽子の「あちらではどんな理由があれ人殺しはしてはいけないことだった。そんな世界で生きていた。」という説明に目から鱗でした。そういえば陽子も最初は、人どころか妖魔を切ることすら嫌がっていたし、私もそのときにその場面を読みながら陽子の気持ちにすごく共感していたのに、いつのまにか陽子が戦うことも当然のように感じてしまっていました。そう考えると、今まで思っていた以上に泰麒は苦しんでいるのだということが理解できて読んでいて辛かったです。そしてあのときの陽子の描写が実は泰麒の苦しみを描く上での伏線にもなっていたのではと思うと、いったいいつからどこまで考えられていたのだろうとものすごく驚きました。 琅燦に関しては、良くも悪くも自分の気持ちを素直に人に伝えてしまう性格なんだなと思いました。その結果が驍宗の昇山であり、阿選の謀反なんだな。でもこの話に出てくる事件の後だと思うと、反省したように見えて何も成長していないじゃないかと腹が立ちました。

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