ブラックノディが棲む樹
高樹のぶ子
文藝春秋
1990年10月
概要
母の葬儀の夜、激しく襲った性の炎ー。虚ろな心をあずけるように、南海の孤島へダイヴィングに行った彼女が見たものは、ブラックノディの声が嵐のように降りしきる、まるで生命のほとばしりそのもののような木立と、すべてを包み込み生命を原初の静寂へかえす、海の深さだった…。表題作「ブラックノディが棲む樹」の他、姿を消した女の足跡を辿るように花開くコスモスが印象深い「花標」、不思議な“旅”を通して母と娘二人の心の交流を描く「白隠」、若き日の憧れと現実の相剋を蛍に託した「蛍の挽歌」など、豊かな文学性のなかにストーリーテリングの才を余す所なく見せる秀作集。
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