かんしぇなぜあの人は時間を守れないのか
なぜあの人は時間を守れないのか

なぜあの人は時間を守れないのか

中島 美鈴

PHP研究所

2026年01月16日頃

概要

あなたの周りにも、提出物を締め切りまでに出さない人、時間ギリギリまで行動しない人がいるのではないだろうか?  本書では、そうした時間にルーズな人にイライラする周囲の人や時間管理に悩む当事者に向けて、時間を守れない背後にある問題を突き止め、どのように処すれば、時間にルーズな人の行動を治すことができるのか、また時間にルーズな人に対してどのように接すればよいのかを、公認心理士として数多くの時間管理に関するカウンセリングや研修を行い、九州大学で研究を行う心理学博士の著者が明らかにする。  第1章では、「だらしない」と片付けられがちな行動について詳述する。時間に遅れる、ギリギリで行動する、締め切りを守れないといった行動の背後には、単なる意識の欠如や怠慢ではなく、記憶力や計画力、時間感覚のズレといった心理的要因が影響していることが解説される。これにより、「できないこと」を「しない」と誤解することの問題を浮き彫りにする。  第2章は、時間心理学の視点から、時間感覚の違いについて考察する。例えば、ある人が「5分」をどのように感じるかという点に注目し、報酬への感受性やADHD(注意欠陥多動性障害)傾向のある脳の特性がどのように時間の使い方に影響を与えるのかを示す。  第3章では、実行機能という視点から「動けない」理由について探る。実行機能は、目標を達成するために必要な一連のスキルを指すが、これが発達する過程やその障害が時間管理にどのような影響を与えるのかを述べる。  第4章では、時間管理を阻む考え方や行動パターンについて分析する。特に、時間管理に失敗する原因となる「悪循環」を断ち切るために、考え方や行動のクセを見直し、具体的な対策を講じる重要性が強調される。  第5章では、上司や管理職が部下に対してどのように時間管理を指導すべきかについて解説する。合理的配慮を含む視点から、部下が時間管理に苦しむ理由を理解し、適切なサポートを提供する方法を提案する。また、タスク設計や進捗管理の技法、部下が失敗しないためのリマインドやフィードバックの重要性にも触れる。  本書は、時間管理の問題を「できない」こととしてではなく、「できるようにするために必要な支援」があることを理解することを促す。具体的な事例を通して、時間管理に関する心理学的アプローチを実践的に学び、本人やその周囲の人々がどのようにサポートすべきかを考えるためのガイドとなる内容である。

ステータス

読んだ

かんしぇさんの感想・評価

時間を守れない自分自身を直す手がかりを掴むために開いたが、予想以上にスイスイ読めてしまった。同時に読んでいた本もあったのだが、こちらを読む手が止まらなかった。 それぞれの原因に対応したアプローチを、脳の仕組みの説明に併せて実例をたっぷり載せて紹介している点がわかりやすかった。管理職や上司に限らず、(自覚があれば•自己分析に乗り気になれば)課題を抱えている本人にも有益な解説本だと感じた。 また、これは著者もあとがきで述べていたが、単に時間管理の方法についての本ではなく、時間の捉え方や行動に関する考え方の違い→これまでの人生経験・背景の違い→人間理解の切り口、といった深いステージまで視野を広げることができる内容だった。 この本で自己理解・自己管理の有効な方法を一つ知ることができ、今後の生活の改善に役立てたいと思った。また、課外活動で先輩に引っ張ってもらう側から徐々に人にものを教える・人を成長させる側になったため、管理職という立場で自分や身近な人を見つめて向き合う手立てを学ぶことができたのは本当に有意義だった。高い満足度が得られた。

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