あの光
香月 夕花
集英社
2023年09月26日頃
概要
ハウスクリーニングサービスで働く高岡紅は、丁寧な仕事と気配りで依頼人からリピート指名が入るほど信頼を得ていた。だが、入社当時からさほど変わらぬ待遇や問題の多い部下に腐心する日々に疑問を抱いていた。そんな折、母・奈津子から独立を後押しされ起業を決意する。仕事は軌道に乗り、リピート客である船場薫の強い勧めで新事業「開運お掃除サービス」を立ち上げる。薫の仕掛けで紅のブログがインフルエンサーの目に留まり、書籍化も決定。初セミナーも大成功を納め、カリスマ指導者として一躍時の人となった。そんなある日、紅のメソッドを曲解した一部の会員の行動がSNSで批判され大炎上。窮地に追い込まれた紅は起死回生を試みるのだが……。承認欲求と自己啓発の闇を撃つ問題作。 【著者略歴】 香月夕花(かつき・ゆか) 1973年、大阪府生まれ、東京都在住。京都大学工学部卒業。2013年「水に立つ人」で第93回オール讀物新人賞を受賞。2016年「Anchor Me」が第23回松本清張賞の最終候補に。著書に『水に立つ人』『永遠の詩』『昨日壊れはじめた世界で』『見えない星に耳を澄ませて』などがある。
ステータス
読んだ
たけさんの感想・評価
「あの光」って……どの光? とタイトルが気になって読み始めた。 ハウスクリーニングスタッフの主人公、高岡紅。 彼女は、持ち前の優しさと、カリスマホステスである母を模倣した話術で、やがては『開運お掃除サービス』の教祖になっていくのだった。 ただ助けてあげたかった。 その裏側にある、ただ助けてほしかった、という悲痛さ。 前半のテンポと人の優しさ、後半の虚像と重苦しさ、迎えるクライマックスに時間を忘れて読み進めた。 要所要所の「あの光」の描写が忘れられない。
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