新しい恋愛
高瀬 隼子
講談社
2024年09月12日頃
概要
みんなの恋愛をわたしは知らない。 芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。 あなたはどこまで共感できますか? ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。 【収録作品】 「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」
ステータス
読んだ
Ayumiさんの感想・評価
恋愛のキラキラとした部分って本当に一部なのに、エンタメ作品ではそこが切り取られることが多い中で、この作品はその上澄みを取り除いた「本質的な部分」を描く短編が収められている。 夏の夜の空気感が伝わってくるような「花束の夜」も良かったし、自分のことを好いてくれるひと(むしろストーカーでは?)の存在によって肯定される自己を描いた「あしたの待ち合わせ」もリアルだった。それまで素敵だと言われていた50代の上司が若い女性と結婚したことで生まれる嫌悪感を描いた「いくつも数える」も何層にも折り畳まれた話の構成が良かった。 どれもよくある恋愛小説ではなくて、もっと「人間同士の心のすれ違い」みたいな部分にフォーカスされているのが良かった。 高瀬隼子さんの文章はどことなく川上未映子さんに似ていて、それは日本語の正しさを少し崩すことで心にスッと入ってくるスタイルなのかなと思う。余白を残しながら、読者の想像を掻き立てる。いつまでも読んでいたい、心地よい文章。
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