マリー・アントワネット 上
シュテファン・ツヴァイク
KADOKAWA
2007年01月17日頃
概要
運命というものは、人間になんと非情な試練を与えることだろうーーただ愛らしく平凡な娘だったアントワネットの、歴史に翻弄された激動の人生を、壮大な悲劇の物語として世界に知らしめた、古典的名著。
ステータス
読んだ
Ayumiさんの感想・評価
今月頭にヴェルサイユ宮殿に行くことが決まっていたので、旅行前から読み始めた大作。大好きな中野京子さんの訳ということで期待して読み始めたのだけど、期待を上回る読みやすさ。ギリシャ神話などから用いられた比喩表現には訳注がついているけど、いきなり出てきた人物が誰なのか、地名がどこなのか、など自分の知識の無さからついて行けなくなる部分はあったにせよ、中野京子さんの訳は現代語に沿っているのでとても読みやすかった。 上巻で描かれるのは、若き日のマリーアントワネットのエネルギッシュな自由さと、少しずつ溜まりゆくその代償。マリーアントワネットはとにかく考えることが嫌いで、読み書きもろくにせず、楽な方へと身を任せ、常に楽しいことしか考えていない短絡的な女性に描かれているのだけど、この描写が下巻で素晴らしいコントラストを生み出す点も巧妙に練られた構成だなと感じさせる。 372ページとボリューム感のある本なのに、スピード感のある筆力にぐいぐい引っ張られる。ちなみに、ベルサイユのばらはこのツヴァイクの本を参考文献としたそうなので、ベルばらを読んだことのある人なら絵面が脳裏に浮かぶことも多いかも。
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