風の万里 黎明の空(上) 十二国記
小野 不由美
新潮社
2013年03月28日頃
概要
人は、自分の悲しみのために涙する。陽子(ようこ)は、慶国(けいこく)の王として玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に、苦悩していた。祥瓊(しょうけい)は、芳国(ほうこく)国王である父が簒奪者(さんだつしゃ)に殺され、公主の平穏な暮らしを失くし哭(な)いていた。そして鈴(すず)は、蓬莱から流され辿り着いた才国(さいこく)で、苦行を強いられ、蔑まれて泣いていた。それぞれの苦難(くるしみ)を負う少女たちは、幸福(しあわせ)を信じて歩き出すのだが──。
ステータス
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ゆっぱさんの感想・評価
個人的に、十二国記すべてのタイトルの中で1番心に残った言葉が多い巻であり、中学生の多感な時期に読んだため、その後人生観に多大な影響を与えられた。 久しぶりに読み返してみたが、全然自分はまだまだだと思わされることばかりだった。主人公3人のうち2人がかなり厳しめにお説教されるが、内容は確かに筋の通った道理だ。誤った沼にはまりこんだ時に、道理を説いてくれる人がいることの貴重さを感じた。 ただ、成長を促す内容だけに、責任感と自責が強く休まなければいけないような人が読むには向いてないな、良くない方に捉えられかねないな、と思う部分もあった。これは20代も後半になった今だからこその感想だなと思う。100%飲み込もうとせず、客観的に今の自分に合った言葉を拾い上げるのが大切だと感じた。 また10年後読み返した頃にはどんな感想を持つのか、今から楽しみなような、怖いような気持ちだ。 「言葉が通じるからといって、互いの考えていることが分かるというものでもないのです。なまじ言葉が通じれば、いっそう虚しい。必要なのは相手の意を汲む努力をすること、こうだと決めてかからずに、相手を受け入れてあげることなのです」 「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです」 「ああ、人の泣くのには二つあるんだな、って。自分が可哀想で泣くのと、ただもう悲しいのと。自分が可哀想で泣く涙はさ、子供の涙だよな。誰かなんとかしてくれって、涙だから。」 「毛織物の服は恥ずかしいかい?けど、世の中のほとんどの人はそれを着てる。誰もそれを恥じねえのは、それが自分の手で働いて得た最上のものだからなんだよ。 ー何の努力もなしに与えられたものは、実はその値打ちぶんのことをあんたに要求してるもんだ」
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