博士の愛した数式
小川 洋子
新潮社
2003年08月29日頃
概要
世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示したー記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー。著者最高傑作。
ステータス
読んだ
こうたろうさんの感想・評価
美しい。淡々と、穏やかに、無駄がなく、ひたすらに美しい。 ぼーっと暖かい夕暮れに、海の波を眺めているような気分だった。 大きな動きも、小さな動きも、一様に美しい。 なんというか、どうしたら数学の美しさと神秘的な奥深さがここまで優しく言語化できるんだろう、、って感じ。 他の人の感想をみて、思い出したようにタイトルの意味を考えてみたけど、なるほど、博士の愛した数式はオイラーの公式だったのか、、 そしてそれは主人公にとって特別なものとなる一方、博士が絶対に忘れることのない未亡人にとっては何よりも特別なものであったんだな、、 博士からみたルート、家政婦とルートからみた博士、そして何よりも博士と未亡人。 さまざまな愛がびっしりと埋め尽くされたような作品だった。 終始タイガースの試合動向になぞらえた表現も大変詩的で素晴らしい。 読む度に優しくなれる作品。
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