傾聴の類の本は星の数ほどあれど、これほどしっかりとした独自の考察を持って、高度に体系化、言語化された本はそうそうないのではないか 非常に読み応えのある「聴く」「伝える」その両方を「両立する」に関する本 対象読者は主に部下を持ち、コミュニケーションを取らなければならないマネジメント層だが、端々のコメントから著者にとって「まず、ちゃんと聴く」は、ビジネスの枠を越え、「在り方」であり、更にいうと「生き方」なのだなと感じた 特に巻末の「自分の関心や悩みを話せる場を提供すること自体がGiveとなる」というコメントはなかなか刺さる 手元に置いて読み返したい本 以下メモ、 【聴く】 -「聴く」とはwithoutジャッジメントで意識的に耳を傾ける事 -「聞く」は相手の話を自分の視点から解釈する事。「聴く」は相手の視点から話を解釈しようとする事。 -「ちゃんと聴く」とはすべての言動に肯定的意図があると信じた状態で話を聴く事 -「うまく聴く」と「ちゃんと聴く」は異なる -「うまく聴く」はやり方、「ちゃんと聴く」は在り方 -聴く力は、1) 何でも話してもらう力、2) 解像度を上げる力、に分かれる -聴く力=「やり方」x「在り方」x「コンディション」 -やり方はスキルであり、非言語スキルと言語スキルに分かれる -「なんでも話してもらう力」は在り方と非言語スキルが強く影響し、「解像度を上げる」は言語スキルが強く影響する -どんな言動や行動にも肯定的意図があり、その手段としての振舞いが社会的に不適切であるなら、他の振る舞いでその肯定的意図を満たす必要がある -「なぜ」、ではなく、「なに」を使う。 -なぜの主語は人、なにの主語は事象。事象に注目する -意図と振舞いを切り離して考える -人間の多面性を認め、それぞれの面に肯定的意図を持っていると理解すると更に解像度が上がる -「展開」、「具体化」、「抽象化」、「俯瞰」の4つの質問だけで話は十分聴ける -展開: 話の横展開 -具体化: 話の詳細化 -抽象化: 話のまとめ -俯瞰: 話の別視点 【伝える】 -指摘をされ、意識をすれば、その事象の発生頻度は上がる -やってはいけない事、あってはいけない状態を伝えるのではなく、やってほしい事、あってほしい状態を伝えるとその発生頻度が上がる -ゾーン2の例外を見つけて評価するゾーン3を伝えるが重要 【両立する】 -観察力を使え -自分の観察力に対して建設的な懐疑心を持ち、改善することを心がける 【その他】 -自律的に組織に関わっている状態が重要 -人が自律的に何かと関わるためには、自己理解も他者理解(組織理解)も必要
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櫻井 将
日本能率協会マネジメントセンター
ISBN: 9784800591319
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