ランドスケープとは単に景観を整えるだけでなく、人々の生活や歴史、自然環境との関係を読み解く行為であることを強く実感した。特に「風景は人々の関わりの積み重ねで形づくられる」という指摘が印象的で、日常的に見ているキャンパスの広場や通学路にも、そうした時間の層が確かに存在しているのだと気づかされた。ランドスケープが「デザイン」以上に「調整の仕事」であるという言及も非常に印象的だった。自然環境・社会・利用者の行動といった、互いに矛盾する要素をどう折り合わせるかという姿勢があらゆる場面で記されていて、デザイナーというより“媒介者”に近い役割だと感じた。華やかな造形だけでなく、見えない部分の思考や調整が風景を支えているという視点は、他分野のプロジェクトにも応用できる重要な部分であると思った。 また、場所の記憶を尊重しながら未来に向けて風景を編集していくという著者の宮城さんの姿勢は、都市や環境に関わるあらゆる分野に通じる考え方だと思う。1冊通して、身の回りの風景をより意識的に見るようになり、ランドスケープの奥深さを改めて感じた。
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宮城俊作
学芸出版社(京都)
ISBN: 9784761522636
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