本の感想・レビュー
ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜

ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜の感想・レビュー

中村 颯希/ゆき哉

一迅社

ISBN: 9784758093231

読者の感想・読書記録

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薄雪さん

中村颯希さんの『ふつつかな悪女ではございますが』の一巻です。 架空の国の中華風の王宮が舞台です。 次代の妃を育成するための雛宮にて、乞巧節の夜に事件が起きます。 玲琳に嫉妬を募らせていた慧月は、怪しい道術を用いて玲琳と自らの身体をそっくり入れ替えてしまいます。さらに慧月は、入れ替わる直前に玲琳の身体を突き落とし、罪を慧月(の中に入った玲琳)になすりつけます。 玲琳(中身は慧月)は庇護され、慧月(中身は玲琳)は雛女襲撃の重罪で監禁・処刑宣告を受けてしまいます。 絶体絶命の牢獄に打ち捨てられた玲琳でしたが、悲嘆には暮れません。生まれつき少し歩くだけで吐血・失神する死と隣り合わせの極度な虚弱体に悩まされてきた彼女にとって、そばかすだらけで嫌われ者の慧月の身体は「走っても呼吸が乱れない! 階段を上っても倒れない!」という夢のような超絶健康体だったのです。持ち前の筋金入りのポジティブ精神を発揮する玲琳です。 処刑当日、裁きの儀式において、牢内で誤って毒薬を食べて死んだネズミの死体を外に弔おうと袖に忍ばせていた玲琳。獅子に襲われる処刑にあいますが。獅子がネズミを飲み込んで倒れたことで、奇跡的に生き残り、無実となります。 無罪放免とはなったものの、忌み嫌われる慧月の姿のまま与えられた新しい住処は、荒れ果てた「廃屋」でした。しかし玲琳にとっては誰にも気兼ねねせず、自力で掃除や庭仕事ができるワンダーランドでしかありません。 雑草を抜き、煮炊きをし、健康な身体で体を動かす幸せを噛みしめる玲琳の姿に、彼女を嫌っていたはずの担当女官の莉莉も困惑しながら次第に惹かれ、強固な信頼関係を築いていきます。 一方、憧れの「黄玲琳」の身体を手に入れたはずの慧月は、絶望的な現実と向き合っていました。 玲琳の身体は少しのストレスや寒さで熱を発し、即座に吐血・失神するあまりに脆い「地獄の虚弱体質」だったのです。玲琳がこれまでいかに血の滲むような努力と気力で完璧な少女を演じていたかを思い知らされた慧月は、激しい苦痛に耐えかねて心身ともに追い詰められていきます。 そんな中、雛宮で「中元節」の舞の儀式が催されます。金家の罠や嫌がらせを退けながら登場した玲琳(姿は慧月)は、健康な身体を得た喜びを爆発させ、かつての病弱な体では決して舞うことができなかった高難度の激しい舞胡旋舞を圧巻の技術で披露します。その気品溢れる舞と凛とした佇まいに、皇太子・尭明や周囲の者たちは、あのアバズレと蔑まれていた慧月が、なぜあんな舞を舞えるのか?と強い違和感と驚愕を覚えます。 そこに皇后・黄絹秀が病に倒れたという知らせが入ります。皇后のため、玲琳は一晩破魔の弓を弾き続けます。その甲斐あって、危機を乗り越えた玲琳(見た目は慧月)。またその株を上げます。 ところで儀式の裏で、過酷な病弱体質に限界を迎えて倒れ、死の淵をさまよっていた慧月(姿は玲琳)。そこに玲琳の筆頭侍女の冬雪が現れ、その正体を告げます。 めちゃくちゃ面白いです。 ライトノベルなんですが、一気に読んでしまいますね。少しメンタル的にやられている時に読んだのですが、それを忘れるくらい読み耽りました。さすがアニメ化作品。 主人公黄玲琳の振る舞いが楽しすぎますね。続巻も読んでしまいます。

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