市場の隙間を縫うようなニッチな事業で1人が食うには十分な稼ぎを得る「そこそこ起業」に関する事例を紹介していくエッセイ集。 最初は「ふーん…」程度の感想だったけど、結果的に結構面白かった。我々が社会に関して持っているイメージはメディアによって固定化され単純化されたイメージでしか無い事に気付かされる。解像度を上げてみると社会は複雑で多層的でその隙間にはいくらでも抜け道のような生き方が存在する。資本主義の社会に対して、別視点から視野を広げてくれる内容だった。 -----------------------以下メモ----------------------- ニッチとは隙間。差別化とは異なる。大手が食べ残したところを自分が生活するための場所にする。 「成長」という枷を外してしまえば、市場をハッキングして、そこそこ稼げる仕事を作ることは簡単 ライフスタイル企業家は「成長と売上の魔力」から逃れるために、「趣味」や「コミュニティ」内での幸せ、あるいは「山林のような再生可能エネルギーな資産」を判断基準に起業していくといえ考え方を提供している 「変化の少ない安定した環境」である深海に生息することでシーラカンスのように 「競争しても疲弊するし、成長のための投資は倒産リスクを抱えるだけ」、「むしろ、競争の少ない環境に移動し、そこそこの努力と労働時間で生活に十分な稼ぎを目指す」という考えからデザイナーやライター、プログラマーが地方都市や田舎へ移住し起業している。競争の少ない環境=地方に移動し「そこそこ起業」で気楽に生きていく事が出来る 「ニーズがあるけど商品・サービスに明確な価格が存在しない」ものを商売にしていくためには、実はお客さんが買う価値なあるかどうかを判断する「価格付け」を先ず行い、サービス都金銭を交換する相場を作っていくことから始めていく必要がある 趣味や生活に密着した分野で「そこそこ起業」を目指すのであれば、潜在的なニーズがどうとか、マーケティングがどうとか考えるより先に、とりあえず「この価格だったら、このサービス利用しますか?」と、身近な人に聞いてみて、一緒に相場を作っていく事が近道かもしれない やりたいことを直接的にビジネス=収益獲得に結びつけず、好きなことで得た実績をゆるく利用しながら、仕事に繋げていく状況を作っていく 企業家のロマンティシズムの持つ罠から逃れるための、非常にクレバーな戦略かもしれない 「好きなこと」と「稼ぎ方」をゆるく繋げていく「仕事のやり方」を追求することで、「趣味も仕事も、自分のやりたいことを自分のペースでやりながら、生活に十分な稼ぎを得る」を作り上げている ライフスタイル企業家が目指すべきは、趣味年ごとを直結した起業スタイルではなく、どちらも両立するように上手に緩めていくことにあるのではないか? 自分が楽しむことを中心にビジネスを構築し、家族が生活するには十分な稼ぎを得る状態を作ること=ライフスタイル起業の種は、実は私たちの身の回りのそこかしこに存在する 「そこそこ起業=ライフスタイル企業家」といえ言葉は、「上場からバイアウトで億万長者に!」という1990年代以後に成立した企業家伝説を捨てた時に、実は気楽に生きるには十分な稼ぎ方が、この世にはたくさん存在することを気づかせてくれる 岡じ趣味で仲間を作り、楽しみを分かち合っていくうちに、楽園を作るチャンスがそこかしこに転がっている この楽園作りには、経営学やビジネスの世界で議論されるような「差別化」や「参入障壁の構築」といった仰々しく、攻撃的な考え方はおそらく必要ない。 「楽園を作る」ために必要となるのは「自分が楽しむ姿」を見せて、共感してくれる仲間を少しずつ増やしていくこと。そして集まった仲間たちと「もっと楽しくなる」ためのサービスや道具を、自分から分かち合おうという感覚 市場をハッキングする。目の前にある市場の仕組みを知り尽くすことで、その隙間をハックしてそこそこ稼ぐ事もできる。 市場の近くでサブビジネスを作るという手法もある 最初から「ハッキング」という目を持っていれば、ある日、自分が身につけたスキルや立場が、「そこそこ起業」のツールや機会に化ける
元の読書記録を見るなぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」の感想・レビュー
高橋 勅徳
集英社
ISBN: 9784087881066
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