薄く読み易そうだなと軽い気持ちで手に取ったが、冒頭3ページの衝撃、戦慄。生唾を飲み込んで一呼吸おいてから本編へ。 侵略者が人間から奪うもの、それは概念。奪った概念を蓄積して人間らしくなっていく地味な設定。散歩しているだけの地球侵略者史上最も被害の少ない物語だが、読者には恐怖を与え続ける。 読むという概念が奪われたら、本を読むことができな、、いや、読むことができないという思考にも至らないから読めない喪失感もないのか、、、と、物語に入り込みながら読み進めると、本質まで辿り着くにはかなりのニューロンを駆使しなければならない。 それに追い討ちをかける圧倒的な背景描写と、読む人に任せた心理描写。つまり脳汁が半端なく溢れ出る。 ラストは(ネタバレ) 彼女の愛の概念を奪った侵略者の感情が1秒ごとに移り変わり怒涛に押し寄せてきて、気付いたら鼻を啜っていました。 私史上最も心を抉られた最高の一冊でした。
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前川知大
KADOKAWA
ISBN: 9784041026304
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