見るまえに跳べ
大江 健三郎
新潮社
2000年12月
ステータス
読んでる
メモ
初期短編集
櫻井さんの感想・評価
「奇妙な仕事」 大学病院で飼育されてる犬を撲殺する学生のバイトの話。大江のデビュー作「死者の奢り」の元となった話。(たぶん。読んでる感じ)現代日本の、個性も思想も無くただ首輪に繋がれている量産された学生と、ただ殺されるのを待つ犬とのコントラストが描かれていると思った。犬を撲殺する場面で主人公の言った「スピッツとセパードが交尾をしている恰好はひどくおかしいよ」という冗談には呆れを感じるほどの滑稽さが垣間見れた。この話は徒労に終わってしまう(ネタバレは避ける)話であるが、最近の自分の身の回りの事柄に観点をおいて見てみると、自分が実務実習に行った大学病院の、「労働に見合わない給与」という点に関してシニカルさを感じさせた。大江が伝えたかった事の3割くらいしかまだ理解できていない気がするので、大江健三郎作品を読み通して本質に近づけたら良いなと感じた。
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