薄雪恋する寄生虫
恋する寄生虫

恋する寄生虫

三秋 縋

KADOKAWA

2016年09月24日頃

概要

何から何までまともではなくて、 しかし、紛れもなくそれは恋だった。 「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」 失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。 しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことをーー。

ステータス

読んだ

メモ

三秋縋 恋する寄生虫 高坂賢吾は強迫神経症だった。何かに触ったら手を洗わないと気が済まないし、外出したらシャワーを1時間は浴びないと落ち着かない。健全な社会生活は諦めていた。ではあるが優秀なプログラマーの才能があった彼は、クリスマスに発動するコンピュータウイルスをインターネットにばら撒く。 そんなところに、和泉という男が現れる。コンピュータウイルスの件を知っていると脅迫してくる和泉。高坂への要求はひとつ。不登校の高校生、佐薙ひじりと友人になれ、と。謝礼は払うといく。 ひじり…

三秋縋 恋する寄生虫 高坂賢吾は強迫神経症だった。何かに触ったら手を洗わないと気が済まないし、外出したらシャワーを1時間は浴びないと落ち着かない。健全な社会生活は諦めていた。ではあるが優秀なプログラマーの才能があった彼は、クリスマスに発動するコンピュータウイルスをインターネットにばら撒く。 そんなところに、和泉という男が現れる。コンピュータウイルスの件を知っていると脅迫してくる和泉。高坂への要求はひとつ。不登校の高校生、佐薙ひじりと友人になれ、と。謝礼は払うといく。 ひじりに会いに行く高坂。金髪で大きなヘッドフォンをつけた娘であった。そして、そっけないひじり。しかし、彼女は、泉からの謝礼の半分を要求し、高坂との付き合いを容認する。 徐々に距離を詰めていく2人。ひじりが寄生虫に対して博識であることがわかる。ある日、ひじりからは電話がかかってきた。橋のところに来て欲しいと言う。急いで赴いた高坂に、ひじりは告白する。視線恐怖症であること。大きなヘッドフォンをつけているときだけ、少しそれが緩和して外出できるようになること。今はヘッドフォンを失くし、歩けなくなっていたこと。 ひじりと高坂は急速に仲良くなっていく。少しづつ、強迫症が良くなっていることに気づく2人。デートもすることができるようになる。 ある時、ひじりは急に高坂にはもう会わないという。このままだと高坂を殺してしまうからだと言う。諦められない高坂は、2人でデートをする予定であった場所にクリスマスイブに行く。するとその場所に黒く髪を染めたひじりが現れる。 2人は、短いが幸せな時を過ごすことになる。 しばらくして、和泉がまた現れる。2人が社会に適合できないのは、頭に寄生虫が住んでいるからだと言い出す。恋愛感情すら寄生虫が産み出したものだと言う。寄生虫の博士にも会い、いろいろなことを教わる2人。 寄生虫の駆除薬を飲み、寄生中を殺す覚悟をする高坂。そんな高坂をさなぎは呼び出し、寒い冬の最中、コンテナの中に自分と一緒に閉じ込める。寄生虫を殺すなと。キスをする2人。2人は凍死しそうになり、和泉に救われるが、入院することとなる。高坂は、寄生虫の駆除に成功したら、ひじりに会いにくるという高坂。 しかし、高坂がその後ひじりに会いにいくことはなかった。強迫症が治り、平和な社会生活を営んでいた。そこにまた和泉が現れる。高坂の中にいる寄生虫には抵抗があり、まだ死んでおらず、活動を止めているだけだと言う。寄生虫の作用を勘違いしていたという和泉。寄生虫は、患者の苦悩を食べて生きていると。よって寄生虫のいなくなった患者は、苦悩に苛まれ自殺してしまうという。 寄生虫のいなくなったさなぎは、自殺を試み、自殺に失敗した後は行方不明になったという。しばらくして、さなぎは高坂のアパートに訪ねてくる。さなぎはなぜ、自殺しなかったのか。コンテナの中でキスをしたさなぎには、高坂の耐性の強い寄生虫が移り、新しい寄生虫を産んでいるからだという。 再び、穏やかな日々を過ごすさなぎと高坂。しかし、さなぎには分かっていた。新しい寄生虫とは言え、高坂の体に棲む寄生虫ほど強くなかったことを。いずれ、サナギの体にいる寄生虫が死に絶え、サナギも死を選ぶだろうということ。 しかし、知ってもいた。死の直前まで通じ合えた2人の愛は、寄生虫なしでも成り立っていたものだということを。

薄雪さんの感想・評価

三秋縋 恋する寄生虫 高坂賢吾は強迫神経症だった。何かに触ったら手を洗わないと気が済まないし、外出したらシャワーを1時間は浴びないと落ち着かない。健全な社会生活は諦めていた。ではあるが優秀なプログラマーの才能があった彼は、クリスマスに発動するコンピュータウイルスをインターネットにばら撒く。 そんなところに、和泉という男が現れる。コンピュータウイルスの件を知っていると脅迫してくる和泉。高坂への要求はひとつ。不登校の高校生、佐薙ひじりと友人になれ、と。謝礼は払うといく。 ひじりに会いに行く高坂。金髪で大きなヘッドフォンをつけた娘であった。そして、そっけないひじり。しかし、彼女は、泉からの謝礼の半分を要求し、高坂との付き合いを容認する。2人の付き合いはやがて…。 精神的に明らかに健康とは言えない欠陥を抱えた2人のお話です。2人の恋は、寄生虫によるものでしょうか?操られた2人の感情は愛とは言えないのでしょうか?そんなことはどうでもいいのです。悲しみの涙の中で眠りにつくひじりは、それでもとても幸せそうでした。 幸せかどうかはその人が決めることなのだから。

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