薄雪いたいのいたいの、とんでゆけ
いたいのいたいの、とんでゆけ

いたいのいたいの、とんでゆけ

三秋 縋

KADOKAWA

2014年11月22日頃

概要

「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」  何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまったーーはずだった。  僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。 「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」  復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。

ステータス

読んだ

メモ

三秋縋 いたいのいたいの、とんでゆけ 湯上瑞穂は、小学生の頃から転校を機に日隅霧子と文通をしていた。ところが再会したいという霧子の誘いを断り、文通をやめてしまっていた。大学4年生のときに、親友の進藤を自殺で失い、瑞穂は人生に失望することになる。ある日、霧子に再会したいという手紙を出し、待ち合わせ場所に向かう。しかし、霧子は現れず、やけになり飲酒運転をしていた彼は、少女を轢いてしまう。しかし、その少女は、死の瞬間を「先送り」する能力を持っていた。死ぬまでに10日間の猶予を得た…

三秋縋 いたいのいたいの、とんでゆけ 湯上瑞穂は、小学生の頃から転校を機に日隅霧子と文通をしていた。ところが再会したいという霧子の誘いを断り、文通をやめてしまっていた。大学4年生のときに、親友の進藤を自殺で失い、瑞穂は人生に失望することになる。ある日、霧子に再会したいという手紙を出し、待ち合わせ場所に向かう。しかし、霧子は現れず、やけになり飲酒運転をしていた彼は、少女を轢いてしまう。しかし、その少女は、死の瞬間を「先送り」する能力を持っていた。死ぬまでに10日間の猶予を得たという。ただ、いずれ死んでしまう彼女の手伝いをし、彼女の復讐劇の片棒を担ぐことになる。 少女は、既に父親を殴ってきたらしい。少女は瑞穂を連れて、義理の姉を殺す。腰を抜かしたり、自分のやることに怯えている少女の逃亡の手助けをする瑞穂。彼女との話から少女が酷い暴力を家庭や、姉の友人たちから受けていたことがわかる。続けて少女は自分を虐めてきた人間たちを殺していく。ある男は大人しく殺されるフリをして反撃をしてきた。怪我を負った2人であるが、なんとか男を倒すことに成功する。傷を受けた少女を、瑞穂は優しく介護をしてあげる。いたいのいたいの、とんでゆけと言いながら。 怪我を癒す束の間の休息の中、瑞穂は過去を回顧する。今までの人生の中で何かを強く希求したことはなかった、と。朽ち果てていくだけの人生だったと思う。だが、少女の隣で眠りながら少女に恋していることに気づく。それも復讐をしている美しい彼女に。瑞穂と少女は、続けて14人の人間を殺し、復讐を遂げる。 最後に、自分を殺した人間である瑞穂を少女は殺そうとする。しかし、それを止め、自分を美しいと言ってくれた瑞穂に「ごめんなさい」という言葉を残し、口付けをして少女は瑞穂の下を去る。 瑞穂は違和感を感じ、考え、そして一つの結論に達する。少女は日隅霧子だと。待ち合わせ場所に霧子は遅れて到着し、やけになっていた瑞穂に誤って轢かれてしまったのだと。2人はまた行動を共にするようになる。霧子は瑞穂を遊園地に連れていく。賑やかな遊園地であったが、一つ一つ一つ灯が消え、廃墟になっていく。霧子の魔法が消えようとしているのだ。 霧子はずっと母親が再婚してたら、義父やその家族に虐められてきた。また、同級生などからも酷いいじめを受けてきた。瑞穂との文通が心の支えであった。 そして、かつて瑞穂が断ったと記憶していた霧子との再会に、実は瑞穂は向かっていた。そして2人は高校生時代に親しい交際を送っていた。霧子が虐められていることに瑞穂は気づく。瑞穂は霧子に寄り添い、長い時間を共に過ごす。しかし、幸せな時間は長く続かなかった。霧子は今までよりも過酷な暴力を義父から受けた。瑞穂は霧子のために、霧子の義父を殺す。2人は遊園地に行く。霧子がかつて父と母と幸せな時間を過ごした遊園地に。ではあるが遊園地で事故で瑞穂は死んでしまう。 霧子は大規模な時間の先送りをする。霧子と瑞穂の再開の前の時間まで。その結果、霧子は歳を取らなくなった。瑞穂が好きだと言ってくれた容姿のままで生きることになった。2人の再びの再開のその日まで。 最後に霧子の魔法が解けて、今までなかったことにされていた時間が動き出す。事故で廃園となった遊園地も元の廃墟となる。 瑞穂が死んだことの先送りが解除されていく。とすると、霧子を瑞穂が轢き殺したという事実もなくなり、霧子は生き残ることになる。けれど、霧子は瑞穂の後を追うという。 共に過ごす最後のわずかな時間。美しい記憶を思い出す。メリーゴーラウンドの幻を見る2人。 いたいのいたいの、とんでゆけ。

薄雪さんの感想・評価

三秋縋 いたいのいたいの、とんでゆけ 湯上瑞穂は、小学生の頃から転校を機に日隅霧子と文通をしていた。ところが再会したいという霧子の誘いを断り、文通をやめてしまっていた。大学4年生のときに、親友の進藤を自殺で失い、瑞穂は人生に失望することになる。ある日、霧子に再会したいという手紙を出し、待ち合わせ場所に向かう。しかし、霧子は現れず、やけになり飲酒運転をしていた彼は、少女を轢いてしまう。しかし、その少女は、死の瞬間を「先送り」する能力を持っていた。死ぬまでに10日間の猶予を得たという。ただ、いずれ死んでしまう彼女の手伝いをし、彼女の復讐劇の片棒を担ぐことになる… 筆者の三秋さんも書いていますが、落とし穴に落ちてしまってそこから2度と抜け出せなくなってしまった人々のお話しです。私も、他の人々も物語が大好きで。幸せなお話が好きです。でも、この話はそうじゃない。痛くて辛くてとても苦しい。しかし、そこでもかすかな幸せを人は見出すことができるかもしれない。そんなお話です。 辛い境遇に落ちてしまった人々に送ることば いたいのいたいの、とんでゆけ

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