子どもを選別するということ
ジョナサン・グラバー/戸田 聡一郎/吉良 貴之
ナカニシヤ出版
2026年02月24日頃
概要
子どものDNAを「選ぶ」行為は倫理的にどこまで許される? 医療的介入とエンハンスメントとの境界はあるのか? 子どもを遺伝子的に選ぶ時代の倫理を、生命倫理学の第一人者が語る。 「私は,医療的介入とエンハンスメントの間の境界を越えることを排除するのは原理的には難しいと主張したい。だが遺伝的エンハンスメントは社会への影響という点で大きな問題を提起する。正義の問題と,遺伝子に基づく競争能力の問題である。おそらく最も深刻なのは,遺伝的選択の帰結から保護されるべき人間本性が多少なりともあるかどうかという問題である。これは,人の善き生とは何かという古代哲学の問いと結びついている。」(「イントロダクション」より) 【著者】 ジョナサン・グラバー(Johnathan Glover) 1941年英国生まれ。専門は哲学,倫理学。オックスフォード大学で学位を取得後,30年間,オックスフォード大学ニューカレッジで教鞭をとり,のちに(1998年から)キングス・カレッジ・ロンドンの医学法学倫理学センターでフェロー・講師を務め,現在はオックスフォード大学上廣実践倫理センターの特別研究員。2018年には生命倫理学者のE. エマニュエル,M. ウォーノックとともにダン・デイヴィッド賞を受賞している。著書に『未来世界の倫理ーー遺伝子工学とブレイン・コントロール』(加藤尚武・飯田隆監訳,産業図書,1996年)(原題 What Sort of People Should There Be?(1984))など多数。 【訳者】 戸田聡一郎(とだ・そういちろう) 1980年生まれ。専門は応用倫理学。山梨大学大学院医学工学総合教育部修了。博士(医科学)。現在は東北大学大学院文学研究科専門研究員。主な論文に「司法における神経科学の適用可能性ーーニューロフィードバックから考える量刑の軽減・再犯防止への含意」(『法哲学年報2020』2021年)ほか。 吉良貴之(きら・たかゆき) 1979年生まれ。専門は法哲学。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程満期退学。現在は愛知大学法学部准教授。主な論文に「長期主義と世代間倫理」(『生命倫理』34(1),2024 年)ほか。訳書にC. サンスティーン,A. ヴァーミュール『法とリヴァイアサンー行政国家を救い出す』(勁草書房,2024 年)ほか。 イントロダクション 第一章 障碍と遺伝的選択 障碍と人間の豊かさ 優生学? 第二章 親の選択と子どもへの義務 親の選択の境界線 倫理のふたつの次元 私たちは何をしなければならないのか --よい人生を送る適切なチャンスーー 子どもたちに何をすべきか --アイデンティティと自律の尊重ーー 第三章 人間の価値と遺伝的デザイン 自由、デザイナーベビー、危害原理 人間の本質の核心を守るべきか さらなる未来 * 原注 訳注 あとがき 謝辞 訳者あとがき 索引
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