まち妊娠カレンダー
妊娠カレンダー

妊娠カレンダー

小川 洋子

文藝春秋

1994年02月10日頃

概要

姉が出産する病院は、神秘的な器具に満ちた不思議の国……妊娠をきっかけにゆらぐ現実を描く芥川賞受賞作。「妊娠カレンダー」「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」(松村栄子)

ステータス

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まちさんの感想・評価

ネタバレ注意⚠️ 妊娠カレンダーの章で出てくる女の人の言葉遣いがすごく丁寧で、憧れみたいなものを持った あとは、例えがうまく、身体と結びついているところが面白かった 私じゃ到底思いつかない例えに触れることが新鮮だった 姉の妊娠に振り回される妹を見ていて、どこか私までそれを経験している気がした 私は妹のように家族の前では素直じゃない。 だから、その素直さが羨ましいと感じた 章の後半に差し掛かってくると、不穏になってきて。 妹が賞味期限切れの干しぶどうや農薬の使われたグレープフルーツを何も考えずに与えたりするところですごく引っかかるものがあった そういうことを細かく気にしない性格なのかなと思った。 けれど、わざとやっていることを知り、どこか姉が誰かのものになるかもしれないという妹なりの反抗心にも見えた。 思えば、妹は義兄に対してもあまりよく思ってない感じだった それは、義兄の人柄によるものなのかと思ったが、その2人から生まれてくる子供にもその感情を向けているところ見ると根強い何かを感じた。 そして、自分の身体について自分自身が投げやりになりかけていることに気づいた。 健康診断や検診が嫌で行きたくないと思う。 でもこうして人は自分の身体を診てもらうことで健康を保っているんだなと感じた。 この章はすごく、そういう身体的な生々しさや気持ち悪さみたいな描写があって共感しながら読んでいた気がする でも不思議と妊娠というものに対しての抵抗みたいなものがなくなったようにも思った。 ドミトリイの章では、いとこが出てくる。 私はいとこという存在に対してどこか特別な何か抱いていたので、2人の思い出話に花を咲かせる場面ではどこか羨ましくも感じた 結局終盤にもいとこには会えずに終わる。 それも不穏ででもどこか美しく思えた 天井のシミのところ。なぜそんなシミが広がって何が落ちてきているのか、聞こえてくる蜜蜂の羽音。あのゾワゾワする感じがたまらなかった。 夕暮れの給食室と雨のプールの章では 思えば給食室って、学生時代の頃は身近で当たり前なものだったけど大人になった今ではもう行く機会のないところだよなと思った 私は給食が嫌いだったのに、今給食室のことを思うと恋しく思えた。 でもこの章が描いてるのは思い出を美化することではないのだろうなと思った 苦しかった過去を持ちながら、今も何かしら抱えて生きているようなそんな生々しさがあった

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