すいかの匂い
江國 香織
新潮社
2000年06月28日頃
概要
あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいにーバニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。無防備に出遭ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。
ステータス
読んだ
メモ
すいかの匂い 怪談話を読んでいるようでいて、どこか現実味を帯びていて惹き込まれた 昔その家に住んでいた家族はどうなったのか、そんな余白が良かった もう、みのるくんやひろしくんは生きていないのかもしれない けれど、生きてるよと訴えかけているように思えた あげは蝶 華族さんの血、という言葉になんだかすごく嫌悪感を抱いた 実際にその言葉を言われたわけではないのに、親戚一同で集まった時とかに感じたなんとも言えない嫌悪感を思い出した。 あげは蝶のシールを貼っている女の人にものすごいイン…
すいかの匂い 怪談話を読んでいるようでいて、どこか現実味を帯びていて惹き込まれた 昔その家に住んでいた家族はどうなったのか、そんな余白が良かった もう、みのるくんやひろしくんは生きていないのかもしれない けれど、生きてるよと訴えかけているように思えた あげは蝶 華族さんの血、という言葉になんだかすごく嫌悪感を抱いた 実際にその言葉を言われたわけではないのに、親戚一同で集まった時とかに感じたなんとも言えない嫌悪感を思い出した。 あげは蝶のシールを貼っている女の人にものすごいインパクトを覚えた。 あげは蝶のシールを貼っているというのはどこか本当にいそうな感じがした。 主人公はどこか冷静な感じがした、淡々としているというか。私であれば、年上の女の人に話しかけられたら胸がドキドキになってしまっていたと思う。 女の人の男をどう思うか聞くシーンでは、「私には、華族さんの血が流れてるんだよ」と言ったのには面食らったというか。そんな言葉がすいすいと出てくる子供ではなかったので、とても惹きつけられたように思う。 あと、すごく状況が面白いと思った。 新幹線の中で男から逃げるという緊迫感のある状況。何も新幹線でなくてもいいのではないかと思うけど、その状況がこの物語をすごく面白くさせてるポイントなのだと思う。しかも、見ず知らずの小さな女の子を誘う。この女の人について行ったらどうなってしまうんだろうという想像を思わず私もした。女の子は最後まで女の人についていくか迷っていたシーンも良かった。私であればそんな提案をされたら怖くて再び女の人の元に戻ることはしないと思う。でも女の子は再び戻って、女の人が新幹線の外へと出るのを見届ける。それも全然冷静じゃない。 前半の女の子の気持ちのギャップも感慨深いものがあったように思う。 そして最後の女の人の覚悟を決めた瞬間というか、なんとも言えなく頭の中に刻み込まれた感じがした。 焼却炉 保健室の優しい女の先生が出てきたところで、なんだかすごく懐かしい気持ちになった。中学校の頃に優しくしてくれた保健室の先生を思い出したから。
まちさんの感想・評価
すいかの匂い 怪談話を読んでいるようでいて、どこか現実味を帯びていて惹き込まれた 昔その家に住んでいた家族はどうなったのか、そんな余白が良かった もう、みのるくんやひろしくんは生きていないのかもしれない けれど、生きてるよと訴えかけているように思えた あげは蝶 華族さんの血、という言葉になんだかすごく嫌悪感を抱いた 実際にその言葉を言われたわけではないのに、親戚一同で集まった時とかに感じたなんとも言えない嫌悪感を思い出した。 あげは蝶のシールを貼っている女の人にものすごいインパクトを覚えた。 あげは蝶のシールを貼っているというのはどこか本当にいそうな感じがした。 主人公はどこか冷静な感じがした、淡々としているというか。私であれば、年上の女の人に話しかけられたら胸がドキドキになってしまっていたと思う。 女の人の男をどう思うか聞くシーンでは、「私には、華族さんの血が流れてるんだよ」と言ったのには面食らったというか。そんな言葉がすいすいと出てくる子供ではなかったので、とても惹きつけられたように思う。 あと、すごく状況が面白いと思った。 新幹線の中で男から逃げるという緊迫感のある状況。何も新幹線でなくてもいいのではないかと思うけど、その状況がこの物語をすごく面白くさせてるポイントなのだと思う。しかも、見ず知らずの小さな女の子を誘う。この女の人について行ったらどうなってしまうんだろうという想像を思わず私もした。女の子は最後まで女の人についていくか迷っていたシーンも良かった。私であればそんな提案をされたら怖くて再び女の人の元に戻ることはしないと思う。でも女の子は再び戻って、女の人が新幹線の外へと出るのを見届ける。それも全然冷静じゃない。 前半の女の子の気持ちのギャップも感慨深いものがあったように思う。 そして最後の女の人の覚悟を決めた瞬間というか、なんとも言えなく頭の中に刻み込まれた感じがした。 焼却炉 保健室の優しい女の先生が出てきたところで、なんだかすごく懐かしい気持ちになった。中学校の頃に優しくしてくれた保健室の先生を思い出したから。 年上の男の学生に惹かれる気持ちがなんだか分かる気がした。焼却炉に捨てた牛乳壜の蓋入れもすごくよく分かる感じがした。私は、小学生の頃おばあちゃんがたくさんのタオルを雑巾にして大量に持ってきてくれたことがあった。私はそれがすごく嫌で、おばあちゃんがみんなに汚されるというか自分にとってのおばあちゃんがどこかに行ってしまうようなそんな気持ちになった。それと似た気持ちなのかなと勝手に想像した。私もきっとそれを焼却炉で焼いてしまったら、きっとホッとした気持ちになるだろうと考えた。学校に下校の合図が鳴ってもいた時に、「胸のなかが不穏に粟立つ」という感覚すごくよく分かるなと思った。「両足のあいだがすうすうするするような腰とお腹のあたりが空洞になってしまったような、いかにも心ぼそくて頼りない気持ち」。私はこの感覚を保育園の時にとても強く感じたことがある気がする。なんでこんな気持ちになったかは覚えていないけれど。ひとりぼっち、取り残されたようなそんな感覚だった。物を盗んでしまうのもなんだかとても心が痛むくらいにわかってしまう部分があった。 年上の男の子に片思いして、でも一方通行で。 そんな関係もすごく痛いぐらい分かる。私が当時好きだったのはお兄ちゃんの友達で。クリスマス会で私が照れてその男の子に挨拶をせずにお兄ちゃんの後ろに隠れていたらそれが気に入らなかったみたいで悪口を言いふらされていたらしい。でも私はそんなことは今日知らずになんでアパートに住んでいる学校の子が私を嫌っているのか分からなかった。(その男の子も一緒のアパートに住んでいた)この主人公は忘れられるのが怖くて、自分がわざと印象に残るような行動をとったように思う。その不器用な恋心がすごく愛おしくて昔の自分を見ているように感じた
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