仕事をつくる 私の履歴書【改訂新版】
安藤忠雄
日経BP 日本経済新聞出版
2022年08月12日頃
概要
永遠の青春を生きる。大阪から世界へ、闘いを挑んで半世紀。仕事で社会と向き合う建築家の現在地。
ステータス
読んだ
はるのさんの感想・評価
・日本人は忍耐強く、緻密で繊細だが、独創力がないというのが海外の評価。しかし日本人の創造力も捨てたものではない。肝心なのは、若い頃、どのような形で学問に出会うか、そして可能性を信じて頑張り切れるか。 ・旅を通して自分なりの見方というものを探りながら考え追求した。作り手の人間性やその人生、時代性まで含めて読み取る。ひたすら歩いて建築を見ながら思考を巡らす。その経験が財産となる。 ・気力、集中力、目的意識。強い思いを持つことが、自らに課したハードルを越えさせる。 ・集まりくる人々の心と心をつなぎ、感動を読み込むのが建築の真の価値。 ・インターネットが普及して単なる情報として知識を得るだけでは、世界の姿に触れて感動を得ることは難しい。 ・人と対峙することを厭う人間が、人々が集まり対話する場を作り出すことなどできない。 ・お互い、相手の職業を認め合った上での信用は人間同士の強い絆となる。 ・小さな点からでも、情熱を持って辛抱強く続けていれば必ず実はなる。大切なのは、こころを繋いでいくこと。人間も建築もまちづくりも一緒。 ・新しいことに挑戦する際には大きな不安を伴う。それを乗り越えて得られるものがある。挑戦は多くの敵をつくる。しかし、批評の場にみずからを置くことで、自分を見直すことができる。その経験は、後々まで大きな力となる。 ・物事の決定は他人に委ねない。必ず自分で判断する。出会った経営者たちに共通した特徴だった。 ・ベネッセ福武社長「経済は文化のしもべである」人間が生きるのに必要な力を生み出すのは経済ではなく芸術的文化。人生の道標となり、人々の心を豊かにする。 ・知識偏重の戦後教育は、歪んだ学歴社会が蔓延して子供達から元気がなくなった。生物として必要な野生が奪われた。自ら考え自ら行動する強い人間は生まれてこない。 ・建築も社会も理屈だけで割り切れるほど単純ではない。厳しい現実を生き抜いて自分の仕事を貫くために必要なのは、なんとしても諦めない貪欲さ。 ・泥に塗れて木を植え、水をやる。その経験が強靭な生命力を持つ人間に育つ基礎になると考える。 ・人々は考えなくなり、闘わなくなった。経済的な豊かさだけを求めて、生活文化における本当の意味での豊かさを忘れてしまった。今の子供達は、自分で考えるという体験が絶対的に不足しており、緊張感も判断力も自立心もないまま成人している。自分の意思が希薄で、人とぶつかり合おうとしない、痔の弱い若者を見ると日本の将来に危機感を覚える。
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